マニュアル翻訳

マニュアル翻訳

国際社会の成長速度は、著しく発達しており、グローバル化に伴い、日本製品のマニュアル・取扱説明書の英語・中国などの言語による表記に対する需要が高まっています。

しかし、国によってマニュアルや取扱説明書に記載すべき内容が規定されている事が多く、製品のマニュアルや取扱説明書もストレートに翻訳すればいいというわけではないです。

今回はマニュアル翻訳のポイントと翻訳会社に依頼する際のポイントを解説していきます。

目次

1.マニュアル翻訳のポイント
2.マニュアル翻訳のメリット
3.マニュアル翻訳の精度
4.まとめ

 

1.マニュアル翻訳のポイント

マニュアル翻訳をする際の基本ベースですが、翻訳する際に、「誰が読んでも理解できる」
「マニュアルが伝えたいポイント」を翻訳できるかが重要な点です。しかしマニュアル翻訳の際には注意点がたくさんあります。

 

用語の統一・スタイルガイドの遵守
マニュアル翻訳のポイントとしては、日本語マニュアルの用語の「統一」「表現」「表記」を合わせるためのスタイルガイドの作成し、遵守する必要があります。
本来は、マニュアル制作の際に定める必要があります。

 

用語の統一やスタイルガイドの作成が出来なかった場合は、マニュアル翻訳する前に、改めてそれらを準備する必要があります。
ここが非常に重要で、マニュアル翻訳後に用語が統一されておらず、表現・表記の方向性が合致していない場合、再翻訳が必要なりますので、さらに時間と手間が必要になります。

 

自社内でマニュアル翻訳する場合は、翻訳会社に依頼する際は必ず用語やスタイルガイドの共有をしたうえで、双方の翻訳の方向性を合わせるようにしましょう。

 

マニュアル作成に関する国ごとの規定を確認しましょう
マニュアル翻訳をする際に注意しておきたいポイントは「各国のマニュアルの規定」になります。よくあるのが中国では「中華人民共和国標準化法」によって定められた技術基準「GB規格」というのがあります。

 

「GB規格」は日本の「JIS規格」にあたる国家標準規格の事です。
中国では取扱説明書=製品の一部として考えているため、中国は取扱説明書の品質についてはかなり厳しく管理しております。ですので「GB規格」は定期的に改訂が行われたりします。国によって「規定」がありますので、ほかの言語のマニュアル翻訳を専門家以外が実施するには非常に難しく、知識と経験が必要されています。そのため自力でマニュアル翻訳をすることよりも翻訳会社に依頼するのが一般的だと考えられます。

 

GB規格にて定められた規定
日本のJIS規格に相当するGB規格はその規格が制定されることや改定される頻度が高く、準拠するハードルが高いといえる規格となります。そのような事情から、一般的に4万件ほどあるといわれる規格ですが、定められた件数を正確に把握することは難しいです。
以下には、例としてどのようなことが定められているのかをいくつかご紹介します。

 

取扱説明書に記載すべき内容の規定
製品を購入すると付属してくる取扱説明書ですが、中国国内においては、製品の一部として認識されており、その品質も国家により厳しく管理されています。そのため、中国語の取扱説明書やマニュアルを作成する際には、記載する内容についての細かな決まり、例えばフォントのサイズや中国語と外国語の併記(中国語を先に表記して、外国語よりも目立たせる)などを守る必要があります。

中国語フォントに関する規定の注意点
中国国内の全ての文字表示、出力機器に対し「GB規格」に対応した中国語のフォントを使用する事が義務化されています。日本から中国への輸出する全ての電子機器製品にフォントを搭載する場合には、ビットマップフォント、アウトラインフォントのどちらにせよ中国政府が認可したフォントを使用する必要があります。

 

安全マークなどの記載するに関する規定
中国では製品に貼り付ける安全マークは、仕様説明に含まれていると考えられています。そのため、日本から中国に輸出する製品は安全マークも、色、素材、作図なども細かな条件をGB規格に適合させる必要があります。

「GB規格」を守らないとどうなのか?
「GB規格」というのは強制国家標準になります。中国で生産・販売・輸出をする際、必ずその規格を厳守する必要があります。GB規格を満たしていない製品を販売・輸出すると法律違反となるため、販売停止措置や商品の全回収、罰金支払いなどの厳格なペナルティが課せられます。

 

「GB規格」を遵守し、マニュアル翻訳
「GB規格」は莫大な件数が制定されていますが、改正も日々行われています。そのすべてを理解するとなると非常に難易度が高く、大変な作業になります。
中国向けのマニュアルを作成する際には、内政で翻訳をして「GB規格」から外れてしまうリスクを秘めています。中国翻訳に精通している翻訳会社に依頼するのが無難といえるでしょう。翻訳前に事前に「GB規格」に沿っているか、必ずチェックリストを用意し、細部にわたって確認する必要があります。

 

2.翻訳会社に依頼するメリット

翻訳能力があるのであれば、難しい翻訳をすることはさほど難しくありません。しかしクオリティの高い翻訳を求めるのであれば翻訳会社に依頼するのがベストです。
海外の企業と取引する場合や、海外向けのマニュアル翻訳が必要となりますし、翻訳者に直接依頼するか翻訳会社を利用するかという問題で大半の方は悩むでしょう。
どちらにも利点はあるのですが、今回はマニュアル翻訳を翻訳会社に依頼する際のメリットをご紹介します。

 

2-1 翻訳の質が高い
翻訳で重要なのは、単に意味が正確だけではありません。いくら内容が正しくても翻訳の基本となる「誰が読んでも理解できる」部分が欠落していたら意味がありません。相手に伝わりにくい文章では、まったく意味がないのです。
内容が正確でありながら、文章内容もしっかり伝わるよう、細部の言い回しや表現にも気を配る必要があります。
少し外国語ができるレベルの翻訳では到底、提供できるレベルにはありません。
その点、翻訳会社では、プロの翻訳者を多数抱えており、案件にあった人材を素早く割り当てる事でスピード感も生まれます。案件にあった翻訳者が担当する事で、専門性の高い分野の翻訳においても用語の正確性はもちろん、相手にも文意が伝わるように細部まで配慮された翻訳ができるようになるのです。また商慣習や文化についても考慮した翻訳になるため、相手側との意思疎通がうまくできるようになります。

 

2-2 幅広く対応が可能
近年、中国語や韓国語の翻訳需要は高まっていますが、それでも翻訳言語としては英語が大多数を占めています。

 

翻訳はこれに限った話ではなく、欧米諸国に限らず、欧州言語も必要とされています。翻訳会社に依頼をすれば、こうした英語以外の言語についても正確かつ高いクオリティで翻訳することが可能なのです。需要の多い言語はもちろんですし、翻訳者が少ないといわれている言語も翻訳会社であれば比較的対応する事が可能です。

 

ですので、自社で翻訳者を探すよりは、翻訳会社に依頼するほうが格段にメリットを感じられると思います。また翻訳する文章についても翻訳会社では様々なパターンを出す事もできますので、需要の多い契約書に限らず、マニュアル翻訳、プレゼン資料、会社案内、ウェブサイトといったものから、重要機密関連の特許資料や論文、見積書、決算資料といったものまで幅広く対応する事が可能なのです。こうした対応範囲の広さは翻訳会社を利用するメリットになります。

 

2-3 時間コストを削減
翻訳は機械翻訳を使用すればすぐなのですが、1つ1つを人が翻訳する事で手間をかける事で質の高い翻訳を提供する事ができます。最初に翻訳する文章ファイルを用意する必要があります。そこから翻訳者を探し、確保するのも必要になります。依頼の際は翻訳者との打ち合わせも必要ですし、翻訳語の内容をチェックも必要です。修正点があれば、すぐにでも修正をし、ニュアンスが伝わりきれてない場合、別の翻訳者に依頼する事もあります。

 

DTP編集などそのあとの作業を合わせると時間労力はかなりとる必要があります。
しかし翻訳会社を利用する事で、このような作業も任せてしまう事ができるは非常に大きな利点となります。クライアントは文章のファイルを用意していただき、見積もり前に目的であったり依頼の要望さえ伝えていただければ、翻訳会社側で適切な人材を選出しますので、そこから翻訳からチェックまでほぼすべてを行います。それと翻訳だけでなく、訳文のレイアウトデータを作成する事も可能ですので、Word、Excel、PPなどのオフィスデータのレイアウトからカタログといった紙ベースの対応も可能です。クライアントは依頼して納期に提出してもらうだけですので、面倒なスケジュールを管理する必要もありませんし、編集作業などに時間を奪われる必要がないのです。任せる事で、業務効率を改善する事ができます。

 

2-4 ミスが少ない
「ミス」大きな致命傷ですが、この「ミス」を避けるためにも翻訳会社を利用するメリットの一つです。ビジネスにおいては、取引相手とのコミュニケーションは非常に重要ですが、翻訳に不備あったり、不十分な表現などがあると、相手側に不信感を持たれる事もあります。
翻訳会社に依頼する重要性としては、翻訳を細部までチェックできる人間がいない場合、文章の抜けやスペルミスなどがあっても気づかない事も多々あります。ですので、翻訳会社に依頼する事で、翻訳が終了した後にネイティブのチェックをしますの、そのようなミスを極力避ける事ができるのです。

 

専門的な知識が必要な翻訳においては、法律や技術などの専門分野の知識をもった人材をそろえている事が多く、用語の間違いなどの発生リスクを抑える事ができます。こうした万全の体制でチェックをしているので、自社チェックと比べるとリスク軽減はかなりできると思います。正確でなおかつクオリティの高い翻訳文によって取引もスムーズに進みます。

 

2-5 コスト削減
翻訳会社を利用する際、まずはコストの問題を心配されると思います。翻訳会社に依頼する事で逆にコストを削減につなげる事が可能です。
まずは自社で翻訳者を探し、翻訳依頼をした場合、スケジュール管理やチェックも自社で行う必要があります。時間がとられる上に、人件費などのコストもかかってきますし、ミスがあれば修正する時間とコストがさらに上積みされます。
その点、翻訳会社を利用することで、先ほど申し上げた「ミス」による時間とコストを削減できるため、修正に時間を取られる心配がありません。
翻訳会社は効率的なノウハウがありますので、スムーズに納品するためにスケジュールも費用もある程度抑えてありますので、普通に翻訳者を探すよりは翻訳会社のほうが仕上がりもよくクオリティの高いものを納品できます。

 

2-6. 企業の信用
企業の信用は「ミスの少なさ」です。翻訳会社に翻訳依頼をする事で企業の信用も高める事ができます。翻訳ミスや表現不足は、取引先の信頼感を損なう原因にもなりかねません。
取引パートナーとして、継続して仕事ができる安心感を与えるには、正確も重要ですし、ネイティブにもわかりやすい翻訳文が必要です。翻訳会社には、専門知識に長けた人材が多く、ネイティブ翻訳者やチェッカーが揃っています。高品質な翻訳を仕上げる事ができてスピード感のある納品する事が可能です。翻訳会社を利用する事で企業にとっての信頼も得られるでしょう。

 

2-7. レイアウトやスタイルの調整も可能
ベースは日本語が多く、それを多言語に翻訳すると文字数が大幅に増減するため、日本語マニュアルのレイアウトに合わなくなる事が大半です。翻訳会社に依頼する事で、読み手に伝わるようにフォント調整から配置・修正にも対応する事ができます。
フォント・レイアウトの調整の場合、翻訳能力以外の事になるため社内で調整が得意な人材を探すよりご依頼いただいたほうがスピーディに解決します。

 

3.マニュアル翻訳の精度

近年はAI自動翻訳を利用する企業が増えているのも事実ですが、翻訳会社とAIの翻訳を比較すると少しブレてしまう事があるため人であればニュアンスや雰囲気を調整できます。

 

もちろん翻訳会社でもAI自動翻訳を導入している翻訳会社もありますし、短期で納品できますし、コストカットにも向いていますが、最後はプロの翻訳者がチェック・編集・修正をする事で高い精度の翻訳を作成する事が可能です。

 

翻訳会社に依頼する際のコツは?
現在、次から次へと新しい製品が世界中で取引されており、常に製品の取扱説明書の翻訳に対する需要が後を絶えない状態です。しかし取扱説明書の翻訳は、1つでも間違えると解読不能になる可能性があり、専門用語たくさん羅列しているのです。

 

翻訳会社が行う翻訳は精度が高く、完璧なマニュアル翻訳を提供するためにもただ依頼をするだけでは満足のいくマニュアル翻訳はできません。翻訳会社に理想のマニュアル翻訳をしてもらうためにはどのように依頼したほうがいいのか、マニュアル翻訳を依頼する際のコツについて解説します。

 

1 自分の要求を明確に伝えること
マニュアルの翻訳を依頼する場合にはまず、自分の要求を明確にして相手に伝えることです。時期はいつまでに完成させるのかがはっきりしなければ、完成させた後のステップに進めません。他にも翻訳を行う部分はマニュアルの全体が必要になるのか、もしくはマニュアルの一部分が必要なのかを明確にしないと依頼された側がどこまで翻訳するのかを迷ってしまいます。翻訳を依頼するときにはこのように要求を明確化することで依頼する側もされる側も把握しやすくなるほか、依頼された側は要求に応じて完成時期などの見積もりを提出できるようになります。

 

2. 製品に実際に使用されているワードは原文のままに
マニュアル翻訳が付属した製品を利用する方が迷うことがないように、マニュアル上に記載されているワードはその製品で用いられているワードと統一することが大切になります。
表記を統一することの他に、依頼する側がどのワードを原文と同様のまま残すのかも検討し、翻訳を依頼する際には漏れがないよう明確に伝えましょう。

 

3. 過去に翻訳されたマニュアルを確認する
依頼をする場合において確認することの一つに、過去に会社で翻訳されたテクニカルマニュアルを把握するというものがあります。理由としてはマニュアルの使用語彙を統一するという狙いがあります。また、翻訳メモリ(TM=Translation Memory)と呼ばれる過去に翻訳した文、段落、分節のテキストを保存することができるデータベースがあれば、保存されている同一の分節もしくは類似した分節が自動的に提示されます。つまり、過去に翻訳したことのある文、段落、分節のテキストを再度翻訳する必要がなくなります。そのおかげで新規にドキュメント翻訳を行う際の費用を削減することが可能です。

 

4.全体のイメージ像を伝える
先ほど述べた要求の明確化の他にマニュアル翻訳を翻訳会社に依頼する場合に大切なのはその要求からイメージされる完成形を伝えて、どのような完成形にしたいのかを明確にすることです。イメージする完成形を伝えることなく依頼すると、その翻訳者が培ってきた能力がベースとなりやすいです。そうなると完成形を見た際にイメージと全く異なるということが起きてきます。翻訳依頼は決して安いとは言えない費用を要して行いますので後々に後悔することがないよう完成形のイメージを明確に伝えて依頼しましょう。完成形はどのような文体を意識したものなのか、一定の年齢層を意識して作成するのか、図などをうまく使いながら利用者が把握しやすくするのかなど、些細なことまで完成形のイメージを翻訳会社に伝えて完成された翻訳の品質を上げていけるように抜かりなく精査していきましょう。

 

まとめ

マニュアル翻訳には、高い翻訳スキルと高い専門知識が不可欠です。それと長年培われたノウハウとユーザーに使いやすさとポイントを伝える技術も必要です。丸中印刷ではクオリティの高いマニュアル翻訳を日々追求し、クライアントに提供していきます。