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マニュアル・取扱説明書の形態について

  • マニュアル制作(全般・企画)
  • 2014.1.21

ユーザーへの、マニュアル・取扱説明書の提供形態について述べてみます。

(1) 印刷物
言わずと知れたマニュアル・取扱説明書の王道ですが、製品の製造コストに直結する印刷物のコストを下げる為、現在では、紙に印刷されたマニュアル・取扱説明書は、最小限の内容量、ページ数に抑えるのが一般的となってきております。
印刷物のマニュアル・取扱説明書は、主に以下のような内容のものが一般的です。

● 製品を安全に使用する為の注意・警告
PL法(製造物責任法)におけるメーカー側のリスクおよびユーザーのリスク回避の観点からも、これらは印刷物としてユーザーに手に取って読んでいただき、注意を喚起するもの。

● クイックスタートガイド
製品を購入後、開封した状態から、製品の利用を開始できるようになるまでを説明したもの。初めて製品を購入したユーザーにも判りやすいように、イラストや画面キャプチャなども用いて説明しましょう。
紙に印刷したマニュアル・取扱説明書は、ページ数を抑えている為、中トジ製本や、大きめの一枚の用紙に印刷し、二つ折り、あるいは四つ折りにしたものなどが一般的です。

(2) 電子データ
いわゆるフルマニュアルは、電子データとして提供される事が一般的となってきております。電子データであればページ数を気にせずに制作できるメリットがあります。また、動画や音声を使っての説明も可能です。供給方法としては、以下のような形態があります。

● 製品にCD-ROMあるいはDVDなどのディスクが添付される場合
同ディスクに格納して提供します。

● 製品に表示装置がある場合
操作画面、タッチパネルなど、製品にデータ表示装置(ディスプレイ、モニター)がある場合は、本体のメモリーにデータを内蔵し、表示装置で表示する方法もあります。
主に「コマンド・リファレンス」などのような「リファレンス形式」のものや、ヘルプ形式のものもよく見受けられます。

● ユーザーにインターネットからダウンロードしてもらう場合
製品にCD-ROMやDVDなどのディスクも添付されず、本体内のメモリーに内蔵できない、あるいは、表示装置が無い製品などの場合は、電子ファイルのマニュアル・取扱説明書をインターネットのWebサイトからダウンロードしてもらう提供方法も一般的です。
公開されてしまっても構わない内容のマニュアル・取扱説明書であれば、製造メーカーのホームページから誰でもダウンロードできるようにされているものも多く、もしユーザーにしか開示したくない内容を含むものであれば、ユーザー登録していただいたユーザーしかログインできないサイトを制作し、そこからダウンロードしてもらうという方策もあります。

(3)スマートフォン・タブレットなど
電子ファイルのマニュアル・取扱説明書の一種ですが、急速に普及しているスマートフォン(スマホ)やタブレットなどに特化した提供方法もこれからは有効ではないかと思われます。
例えば、デジタルカメラの場合、外出先、屋外での操作は、主に「撮影」でしょう。撮影後のデータの加工や編集などは、自宅に戻ってから行うのが普通ではないでしょうか。
その場合、「外出先」に特化した「撮影」に関する操作説明のみを、スマホの小さい画面でも判りやすく表示されるように配慮された「スマホ版マニュアル」として制作し、自宅に戻ってPCなどで行う「編集」の工程に関する操作説明は、通常のフルマニュアルに含まれていれば良いのではないでしょうか。
また、これからは「ウェアラブル端末」なども普及してくる時代になると思いますので、そういったデバイスも、ユーザーへのマニュアル・取扱説明書の提供形態として考えられるようになってくると思います。もちろん、公共での安全などは十分に配慮される必要がありますが。